イラン南西部で遊牧生活を営んでいた、ハムセ連合のBasseri族に特徴的な柄の毛織物です。サドルバッグと言う、馬の背中に掛けて使われたバッグの装飾面です。前所有者様によると1910年代に織られたアンティーク(もしくはギリギリ100年には満たないセミアンティーク)で、ほぼ全て天然染料由来の色だろうとの事です。
縦約60㎝、横約60㎝です。床に敷いての使用も可能ですが、個人的にはタペストリーとしての使用をお勧めします。小テーブルや飾り棚に敷く等もよろしいかと思います。

中央に紋章のような柄を置き、周囲に目一杯柄を織り込んだ賑やかなラグです。横並びのギザギザした紋様(ヘラティ・マヒ)も典型的で、由来は葉・羽・魚(チョウザメ)などの説があります。よく見ると目が一組織り込まれているように見えますので、このラグでは魚かな？と思います。
パッと見には左右対象ですが、よく見ると細かな柄が自由に散りばめられており、遊牧民女性ならではの自由な感性を感じる品です。

上下の端はきちんとフサ止めされています。左右の端はほぼオリジナルの状態ですが、所々擦れが目立ち、ラフに補強された部分もあります。下端の左右に修理跡があります。
鞍掛袋としての使用により、パイルが少々低くなっている部分がありますが、概ねフサフサでこの年代としては良い状態です。完璧な状態ではありませんが、この年代としてはとても良い状態と思います。

写真一枚目は直射日光下で撮影したものです。より濃厚な色合いに見え、薄いインディゴのパイルはキラキラ輝くかのようです。

購入時はうっすら汚れていましたので、ウール用洗剤で洗濯しました。個人的な感覚ではありますが、現状は頬ずり出来るくらい綺麗です。我が家では鑑賞のみで一度も実用しておりません。

オールド キリムから始まり、トライバル ラグ・部族系絨毯と言われる毛織物にはまり、数ヶ月前にオランダのコレクター/ディーラー様から譲り受けたものです。気に入って入手したものですが、収納スペースが手狭になり、整理のため出品します。オールドキリムや絨毯がお好きな方、古い手工芸品に理解のある方にお譲りしたいと存じます。長い年月を経てきたなりの難がありますが、現状のまま愛でて下さる方の購入をお待ちしております。

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